字てがみ講習会【字てがみの楽しさ】

ユニカでも以前よりご紹介している「字てがみ」の高嶋悠光先生が講習会を
されるということで、店長が取材に行って参りました。

「字てがみ」は漢字一文字と添え書きで伝える手紙です。どんな風に書いていくのか?高嶋先生の講義は「まずは書いてみる」ことから始めます。先生の書いた色々な字てがみを見て、マネをしてみる。それから先生の出すテーマに合わせ、字てがみを書く実践となります。

  新聞紙を敷き詰めた机に参加した
皆さんの作品が一杯に広がる。

「はい、次はこのテーマで考えて
みてください」
先生の元気な声に、どんどん筆を
動かしています。

「さぁ、今度結婚する甥っ子・姪っ子ちゃんに送る字てがみ考えてもらおか!どんな漢字がええやろね〜?」
高嶋悠光先生の講義はとにかくテンポが早い!次々と作品のテーマが与えられる。
漢字を思いついて、書き出したと思ったら次のテーマに移ってしまう。

「あまり考える時間を与えない、焦らせる事で、ヒラメキ・直感・そして無心で筆を運んでもらうための秘策ですわ」
先生のペースに巻き込まれるうちに、自然と作為を捨てる境地に至るわけだ。
  「普通の筆でもええねんけどね、キレイに書こう、書こうとしてしまう方が多いんです。だから講習ではこんな筆も用意してあるんです」

使い古しの筆の毛先を一部カット、これで書くと毛先が揃わないので面白い線が書ける。先のとがった所を使えば細い線が書けるので添え書きを書くのにも丁度よい。

「私は「絵てがみ」をやっているのですけど、絵てがみで絵の隣に添える一言を書くのと、字てがみでいう「添え書き」とは、ちょっと違うみたい」受講者のお1人の声に、先生がこう答えられました。  

「お習字」にならないよう上手く書きすぎないよう、筆を左手で持って書いてみる。
すると思わぬ味がでて印象深い字てがみができる。

「字てがみの主役は「漢字」ですね。漢字一文字には、沢山の意味があります。
また、その漢字から連想する物事もあります。沢山の意味、連想する事、すべてが相手へのメッセージになりうる。
その中でも、一番伝えたいなぁと思う意味を「連想」させる手がかり、それが字てがみの添え書きと思って。」

例えば、「花」という漢字に「いっぱいあげる」と添えれば【お祝い】の字てがみ。「ありがとう」と添えれば【お礼】の字てがみになる。慣れたらちょっとヒネリを加えて。「さかせよう」とすれば【応援】の気持ちを表現することもできる。表現は無限だ。

「初恋の人へのラブレター」
「お父さんへ」
「入院中の友へお見舞い」
・・・テーマにぴったりくる漢字は?
気の利いた添え書きって?
夢中で繰りだす受講生の皆さん。
気がつけば、机の上は作品で一杯。
練習用紙は要らなくなった印刷物の裏紙です。

 
 
  講習の最後には、実際にハガキに切手を貼り、講習会に参加された方同士でペアを組んで「あなたの印象」をテーマに字てがみを書き、ポストに投函します。そして講習後自宅に届いた字てがみのお相手にまた字てがみで返信してもらいます。
「先生!私に字てがみを書いてください。」受講者の方たちのリクエストに答えて、高嶋先生の字てがみ実演。
余白の取り方、墨色の出し方、添え書きとのバランス等々、これはどうして奥が深く、先生ご自身も日々研究・日々精進なのだとか。
「気軽だけれど、始めるととても奥が深くてハマるんです!」とは、受講数回を重ねた受講者の方の弁。
 

その他、全国各地で講習会が開催されています。通信教育もあります。
講習会・展覧会情報お問い合わせ・通信教育のお申し込みは

●日本字てがみ協会(JDC内)   Tel. 06−6581−2811 までどうぞ。
 

 

高嶋悠光先生 プロフィール

1934年
1944年
1952年

1965年
1981・82年
1987年〜
2000年
大阪市に生まれる
疎開先、大和郡山にて書道を始める
大阪府立泉尾高等学校卒業
家業の材木問屋を手伝いながら書道に専念
書道芸術院(〜87年)
毎日書道展小字数部毎日賞受賞
悠友会展および個展にて作品発表を続ける
日本ペンクラブ会員に承認される
「くらしの書」「楽しむ書」
生活の中に書をとりいれる。
布・服・日用品・木・陶器など
書けるものなら、何でもが書の素材。
床の間・壁の芸術でなく広範囲に
書を感じたい、使いたい。
日本字てがみ協会会長
全日本書道連盟会員、日本教育書道連盟会員
毎日書道展会員、日本ペンクラブ会員、
悠友会主宰